阪神淡路大震災

見晴らしの良い線路に降り立ち､私の見たものは｡
だらしなく折れ崩れた新幹線の線路でした｡
新大阪から神戸間を結ぶﾄﾝﾈﾙを出た直ぐの所が｡
ただ始発にはまだ時間が有るので､大丈夫かなと思い南を見ました｡
西宮から京都を結ぶ171号線の陸橋が｡
事情を知らない車が一台｡落ちていきました｡驚いて親に話そうと戻ったら｡
頭部を怪我した母親が､向かいの住人が出て来ない｡あそこはご主人が亡くなって男手が居ないから､あんた行きなさいと｡
玄関は男の私の力でも開けられない位ひしゃげてて
窓ガラスを割って入りました｡
一階には箪笥の下敷きになったお母さんが｡
土足のまま上がり箪笥を除けようとすると､そのお母さんが息も絶え絶えに
『私は､良いから娘達を』
いやいや､あんたの方が重傷やろと思いながら､外から様子を見ていた母親に､一階は私達に任せて二階に行きなさいと言われ､二階へ｡
大学と高校の娘さん達は二階の入口の本棚が戸を覆い被せて出られないだけで二人とも無事でした｡
助け出した頃に下の階の母親様は吐血しながらも娘の安否に安堵します｡
凄い愛を見れました｡
女性の素晴らしさ｡
この後が無ければ未曾有の危機も良い体験でした｡