Mからのメール

男がまだ仕事中の夕方のこと
一通のメールの到着を知らせるメロディ、、
クリック、
「今、帰宅途中の駅のトイレの中からです、、、」、、
それは
ある「許可」を請う内容だった、、
波の深さに少し驚きながらも
男は
一つの命令実行を条件に許可を出す、、

返信を告げるメロディ、
液晶に広がる少し薄暗い画像、、

男の心に流れ始める映像、、、

駅の雑踏のざわめきが聞こえる狭い空間、、
通勤駅という日常の中での非日常的行為、、
かすかに感じるアンモニア臭、、
膝までショーツをおろした姿で
壁に身体を預け目を閉じる、、
自身でも感じる早い心臓の鼓動、
乾いた喉、

ゆっくりと指の腹を使い円を描くように動かす、
身体のリズムを感じながら、けっして焦らずに、、
漂う淫らな匂い、、
腰が無意識に動き出す、
下半身を露わにした出勤着の姿、

赤いルージュの濡れた唇、、
激しく動き回る一本の指、、
声を押し殺すくいしばった歯、
高まる波、、


そして
メール到着を知らせるメロディーが、、

「ありがとうございました、、」