私の・・・

「夫を返して！」と言う、悲痛としか思えない言葉。
この言葉が、とてつもなく心に響く。

今朝、元気だった奴が、突然の凶報を告げる・・・

まだ、温もりが微かに残る、ご主人に寄り添い、泣きじゃくる奥方。
そして、「残された私達はどうすれば、いいんですか？」耳が痛くなるような言葉を必死に問いかける奥方。

だが、その言葉は当然ながら、ご主人には届かない。

「お願い・・・何か言って・・・」との悲痛の叫び。

やはり、ご主人は返事をしない・・・

そんな状況が把握出来ない、年端もいかない、幼き御子息達は「パパ・・起きてよ。」との言葉を投げかけ、ご主人を揺するが、やはり起きない。

奥方は、子供たちの無垢な笑顔に、ただ涙を浮かべ泣きじゃくる・・・

そして、御子息達が「パパ・・」と言葉を発する度に、「お父さん・・」と手を握りしめる奥方・・・

その握りしめた手には、どんな思いが込められているのだろ・・・

そんな光景から、現実を受け入れ難く、目を背けたい・・・

一体、人間とは何だろうか・・・

時にして、非情に強く・・・

時として、非情に脆く・・・

自分が、動物なら、どれだけ楽なのだろうか・・・

人間には、理性や慣性からくる、喜怒哀楽が生じる。

自分にはとてもじゃないが、耐えられない・・・