ヤキモチの話

あてんしょん。
木村さんのお話です。
裏ログの画像確認は任意です。見なくても想像でやっていけます。



くろ助:基本外面はよい。内面は想像に任せます。

木村さん:かなりの心配性。

海本くん:木村さんの後輩。本日日直の２６歳。彼女なし。くろ助のことキモイとか臭いとか失礼なことをよく言う。

松丘さん:多分職場で一番多忙な人。この人も彼女なしの…３…年忘れた(笑)

事務長:本日出勤せず。




【ヤキモチ】


くろ助はたまに休みの時職場に行って元気に社畜してます。一応照明とかパソコンつけての作業で電気代使ってるし、日直さんがお休みに出勤しに来ているので差し入れを持っていきます。


パン屋さんにて(ラブホの朝食が遅くて昼ラーメンを諦めた故のパン屋さん)

くろ助「あ、今日の日直は海本くんだよね。差し入れなんか買おうよ」

選んだのはチーズマフィンとチョコマフィン。

(事務長さんがいるかもしれないしね…２つ買っとけば問題なしと)

木村さんと公園でパンを食べた後少しキャッチボールをしてから職場へ。


木村「あ、松丘さんいるね」

くろ助「え？！うそ」

駐車場を確認するとくろ助以外に休日出勤している人が居るようで…。

職場に入ると事務室に海本くんと松丘さんがいた。事務長は出勤していなかったみたい。

くろ助「こんにちはー」

海本「くろ助さん喉乾きましたー」

挨拶くらいしてよね。
海本くんは…くろ助に失礼な発言ばかりする男の人です。横を通れば『あ、臭い。なんか臭う』とか『くろ助さんには話しかけてないです』とか…。扱いづらい人です。なので…くろ助は『海本くんは女の人との接し方が分からなくってこんな事を言うんだな』と、ポジティブになりました。イライラしても仕方ないしね！

くろ助「給茶器のお茶なら持ってきますよ？」

海本「ジュースがいいです」

くろ助「んなの知りません」

海本「くろ助さんなんでそんなセクシーな服着てるんですか？」(同日裏ログの日記画像で確認して下さい)

くろ助「んと…海本くんを誘うため？」

海本「くろ助さん気持ち悪いです」

くろ助「んなの知ってるよ！嘘だしね！」

とりあえず仕事するから荷物をカウンターに置いてちらりとパン屋さんの袋に目をやる。先程のやり取りもあってあんまり接触したくないけど仕方ない。

くろ助「木村さん、ちょっと差し入れ渡してくるね」

木村「いってらっしゃい」

マフィンを袋から取り出して背中に隠し事務所に入ると目が合う海本くん。

くろ助「海本くん、右と左どっちがいいですか？」

海本「それよりジュースは？」

くろ助「ジュースは発掘されませんでした。んで、右と左！」

ちなみにこのやり取りは３度程繰り返されました。

海本「じゃあ右で」

くろ助「……右、くろ助から見て右？海本くんから見て右？」

海本「僕からで」

くろ助「………やばい、どっちか分からない」

海本「ヤバいのはくろ助さんですよ、バカですね」

マフィン持ってなかったら叩いてた。

くろ助「好み知らないけどチーズマフィンね。松丘さんも…チョコマフィンだけど食べて？」

松丘「僕？くれるの？」

くろ助「事務長がいると思って買ってきたんですけど…いないので松丘さんにあげます」

松丘「その情報いらなかった」

そんなこんなで仕事開始。
時々海本くんからのちょっかいを受けながらも５時半まで集中した。

と、松丘さんがきた。

松丘「僕帰ります」

くろ助「お疲れ様でーす。マフィンちゃんと食べて下さいね」

そこへ木村さんとくろ助のコピーした書類を持ってきてくれた海本さんもきた。(実は優しい。本当は知ってる。例え『木村さんのついでですから』とか言われても！！)

海本「２人は元々今日くる予定だったんですか？」

木村「そうだよ」

くろ助「キャッチボールしてから来たんだぁ。南の公園でパン食べてー」

海本「あ、でもここのマフィン北のパン屋ですよね。そんなわざわざ？」

(？！…ラブホからの通りかけで買ったとか言えない…しかもくろ助も木村さんも家の方向東だ。絶対に通らない…早く言い訳しなきゃ変に思われる！！)

木村「お客さんのオススメしたパン屋だから一回行ってみたくてね。美味しかったよ？海本くんも今度行ってみなよ」

木村さんは嘘は言ってないけどくろ助よりすんなり言葉が出たからちょっと悔しい。

海本「そうなんですか。今度行ってみます。そういえばくろ助さんっていつも差し入れ持ってくるんですか？」

くろ助「え、うん。だって電気代とか使ってるし…」

松丘「ついでに事務長がいる体で買ってきてるんだよね？居なかった時は？」

くろ助「先週木村さんが日直の時はシフォンケーキ買ってきたんですけど事務長居なくて休憩の人とか捕まえて配りました」

海本「はぁ？！」

松丘「事務長に差し入れとかいいからね。電気代とかも気にしないで。あの人意味もなく夜中まで事務長室に籠っててそっちのが電気代掛かってるから」

くろ助「う…でも一応事務長には色々恩があると言うか…チョ◯ボールのエンジェルくれたり、くま◯んのキーホルダーくれたり」

海本「エンジェル……というか、気に入られてる？くろ助さん優しすぎだから！事務長にストーカーされるよ！」

くろ助「大丈夫だって、年離れてるし」

海本「もう女なら誰でもいいんだって！ダメだよ、そんな優しくしちゃ」

くろ助「いや、きっと一応好みはあると思うよ…？」

松丘「とにかく、気をつけて」

くろ助「……はーい」


何故か独身男性２人に説教されるくろ助。
くろ助から元気と優しさ取ったら何も残らないぞ。

(それにしても…なんか初めて海本くんと普通の会話をしたかも。やっぱり元々優しいんだよね…もっと色々話とかしてみたいな)



日直(６時までの勤務)の邪魔にならないように片付けを済ませて、海本くんに挨拶をする。

流石に一緒の車で来てるとか不思議に思われちゃうから。もしかしたらパン屋の話でバレてるかもしれないけれども。


その後はファミレスでご飯食べてちょっとなんかしてからの(時間あれば裏で)帰り道。


くろ助「海本くんとどうしたら仲良くしてもらえるのかな…」

職場からこの言葉を繰り返しているくろ助。

くろ助「いつも変なことばっかり言われるけど本当は真面目で優しいんだよね。今日話してもっと興味出てきた。休日何してるのかな。どこか行ったり趣味とかあるのかな。木村さんはプライベートでお付き合いとかある？」

木村「ないよ」

くろ助「そうなんだぁ。残念だなぁ」

木村「もしかしたら律儀だしマフィンのお返しくるかもね。自分よくハンドクリームとか貰うし」

くろ助「口下手だけど、ちょっとそう言うところ女の人のこと分かってるよね。なんか可愛い。一回ご飯行きたいなぁ」

木村「海本くんのことは忘れて」

くろ助「ん～？」


さっきから素っ気ないというか…拗ねてる？

あ、家ついた。

くろ助「運転ありがとうございました！海本くんから何か貰ったら報告するね」

木村「そういうのいいから」

くろ助「木村さんヤキモチ？」

木村「…………さぁね」

(……可愛い…)

木村さんの頬にキスして車から出る。
さっきまで火照ってたのに肌寒いなぁ。

くろ助「ヤキモチ妬き過ぎてふて寝しないでね。おやすみ」

木村「おやすみ」


車の音が遠ざかるのを聞きながら歩き出すくろ助。

ヤキモチかぁ。

くろ助だっていっぱいしてるのにな。


思い浮かぶのはくろ助の後輩の花ちゃん。

いつの間にか木村さんと気さくに話すようになっていた。

補佐の堀居さんも、木村さんがこっちにくる前の職場から仲良しだし。

いつも仕事は真面目だから海本くんや他の後輩にも慕われてる木村さん。

上司にだって信頼されてて。

事務長だって仕事の姿勢をいつも褒めてる。



他の人から好かれてるのが、時々胸が苦しくなる。


あんまりくろ助以外と仲良くして欲しくないなぁ……


まあ、本人には言ってやらないけどね。





えんど。