銀座のママ

さて、たくさんのメッセージの中に

女子高校生、女子大学生、OLさんなどから

「自分の経験値を高めたいので、
銀座のクラブで働こうと思いますが

（女子高校生の場合は、卒業後の進路）どういうところに気をつけたらよいか、

アドバイスをください」

という相談を受けることが多々あります



かさこたか氏の書いた記事が、「元銀座のママ」となっている為だと思われます


土岐山の結論としては

「最終的にカタギの道を目指すのなら、
腰掛けや軽いお小遣い稼ぎの気持ちで

水商売に足を踏み入れるのはおやめなさい」

ということです

少しホステスとして働いて、お小遣いためて、海外に遊びに行って、好きなもの買って、

最終的にはお嫁さん
最終的には学校の先生
最終的には公務員

甘いです

最近、銀座でホステスをしていたことを理由に
アナウンサーの内定資格を取り消されたという記事が物議を醸しております

当たり前の話です

内定を取り消したのは、まともな会社です

そこで、
「ホステスの何が悪いの」
や
「ホステスも立派な仕事」
と、躍起になる人がいたら

それは半端な気持ちでやっている甘ちゃんホステスだけです

職業に貴賎はない
どんな職業も素晴らしい
それは確かです

しかし、銀座で堂々とママ、売り上げホステスをしている女性は、
わたくしと同じことを言うはずです

「おやめなさい」

と

それは自分の仕事や生き方に誇りを持っているからです

誇りを持って堂々としているのが銀座の女です

人を見下したり、人を貶めたり、自分の身を守ることを優先するのは
三流ホステスの下卑た仕事の仕方だと教わりました

同時に、
ホステスという職業は

カタギの仕事ではないことも、教わりました


土岐山の経歴には「銀座のママ」がついています

過去を変えることはできませんから、土岐山の経歴として、一生ついて回ります

土岐山は、毎日頑張っている銀座の女性が大好きです
自分のした仕事という意味でも誇りを持っています

ですが、

「銀座のママ」は、

履歴書には書くことが出来ないのです

それは、「国分町のママ」でも、「ススキノのママ」でも、「中洲のママ」でも同じです

書けません

社会的信用もありません

土岐山は、ホステスをはじめてから家を借りようとして

今までどんなにカタギの会社に守られてきたのかを、嫌というほど痛感いたしました

家を借りることすら出来ないのです

銀座のママ、銀座のホステス

銀座という単語とくっつくことで
ちょっと華やかな印象を受けます

華やかなだけです

社会的信用は、ゼロです


土岐山は、過去何回か
主婦や働く女性の集まりから
銀座でホステスをしているという理由で

途中から、ご遠慮くださいと外された事があります


それは、カタギの女性からしたら、至極最もなのです

内定を取り消されたアナウンサーを可哀想だという人は
ホステスを実際、本気でやってみるといい

今の銀座は普通のOLよりも稼げないママやお姉さん方がたくさんいます

月に50万以上稼げるホステスさんは限られています
バブル期なんてとっくに過ぎていますから

たとえ、一ヶ月50万稼いだとしても
毎日の美容室代、
衣装代、
タクシー代、
お客様との交際費、
ヘルプの女の子にご馳走する食事代や、

衣装代（下の子のお世話ができないようでは自立したホステスではありません）
に、半分が消えていきます

そこから家賃、光熱費などを引いたら手元にはほとんど残りません

カタギの道を歩もうとする人間が、お遊び程度で働く街ではないのです

ママさん達、売り上げの女性達は腹をくくっています
自分達のしていることは、

カタギの仕事ではない、と

世間一般では珈琲一杯は、高くてもせいぜい1000円
セブンイレブンの珈琲は、あんなに美味しくて100円です

銀座のクラブで珈琲を一杯飲んだら、5万円から10万円です

クレイジーな世界でしょう

男性は何にお金を払っているか
もちろん、女性に払っています

銀座に限らず、どこの地域のクラブ、スナックでもそうです

男性は女性を求めて店に来ます

大人の女性は勘違いをしないでしょうが
考え方が幼稚だと、
すぐに男女の深い仲を連想する恐れがあります

男性がホステスに求めるものは身体だけなんかではありません
だったら風俗に行けばいいのです
断然安上がりです

男性が求める女性は、人それぞれです

黙って話を聞いてくれる女性としての優しさ
時には厳しく叱ってくれる母ちゃん像
自分の顕示欲を満たしてくれる言葉
疑似恋愛

ですが、賢い男性は、
ホステスを本気で彼女にできる、妻にできるなんて
思っちゃいません

お金を出してホステスとの時間を買っているわけです
それがわかっているから、健全です
まれに、時給が発生しない土日に誘うバカ男がいますが、
ホステスは商品ですから万引きもいいとこです

クラブやスナックや風俗で女性を求める男性は、
奥様やパートナーを大切にしているから、
お金を払って女性といる時間を買うという健全性を選んでいるのです

同じ会社の女の子や、知り合ったカタギのお嬢さんなんかと、
妻やパートナーを騙して出かける方がよっぽどたちが悪い

余談ですが、
自分のパートナーやご主人が、クラブやスナックに行くこと、AV鑑賞に嫌悪感を感じるなら
そんな必要はありません

男性はあなたを愛しているから
お金を払って済むもので、欲求を満たしています

土岐山のお客様方の奥様方は
土岐山に、お中元とお歳暮を送ってくださいました
「いつもお世話になっております
ありがとうございます」
の文を添えて

聡明な奥様です
ご主人は何も心配なく伸び伸びと仕事ができます
その奥様方は、生粋のお嬢様です
旦那様に養っていただいているという感謝の気持ちと謙虚な心のある素晴らしい女性です

ですから、たかがホステスふぜいが、と人を蔑むことはありません
ホステスに対してでも、誰に対してでも、感謝の気持ちを自然に持つことが出来ます

半端なエセお嬢様は、自分自身がお金を稼いでいないことを忘れている
旦那の地位がそのまま自分の地位だと錯覚し、職業の貴賎を問います
感謝の気持ちを忘れた女は醜くなっていく一方です

あなたがどちらのタイプの女性になるかはこれからの生き方次第ですが、
改めて申し上げます
自分の将来の目標がお嫁さんや、公務員、会社員などの
カタギの仕事であるならば
銀座、もしくは他の地域でホステスをするのはおやめなさい

もし、世間から色眼鏡で見られることを厭わないなら
自分で店を持つまで、とことんやればいい
そのための相談なら受けましょう

土岐山は成り行きでホステスになりました
例外中の例外の土岐山でさえ、三年間は本腰を入れて銀座にいたのです

綺麗事だけではない世界に、
カタギのお嬢さんがわざわざ足を踏み入れる必要は、ない

ホステスをしながら国の裏事情も沢山聞きました
ですが、明るみには出ない

影の世界で起こっている話だからです

どんなものにも、陰と陽、光と影、表と裏があります
混在はできません

光の当たる場所にいたければ、
影の世界に来てはいけないのは自明の理です

わたくしも、ホステス時代、一日で10万円稼げていたのが、
農業、漁業をはじめたら一ヶ月10万円

ですが、同じお金でも、
ホステスとして一日で10万円稼ぐことの方が
農業をして一ヶ月で10万円を稼ぐよりも
とても大変です

農業、漁業は親方についていますから、横山農場で働いています、高橋水産で働いています、
という社会的信用が得られます

お遊びで仕事をしているホステスには、
えー、一ヶ月でたったの10万円⁈
ホステスの方がいいじゃない！
と言われました

ですが、今だに懇意にしています土岐山の尊敬するママさん方には
「安定収入ね、いいわね」
と言われます

そういう世界なのです

経験値を積みたいというならば
健全なボランティア活動をすることで
様々な世界を見て見聞を広め
世の中には色々な人がいて、色々な事がある、ということを認識し

あなた自身が、偏見の心を持たない、賢く美しく、強い女性になることです

それはホステスにならなくてもできることです

女性として一番残念なことは
自分の基準で職業や立場を貴と賤で分けてしまい

賤の人を排除しようとする器量の狭さを持ってしまうことです

女としては三流以下です


自分の意見と違う人を認めようとしない

安全地帯から人を批判する

嫉妬にかられて自分を見失い人を攻撃する

女性としてこんなに醜いことはありません
どうか、そのような紛い物にあなた自身がなりませんよう

真っ直ぐな道をお歩きください


土岐山協子拝