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中日新聞より。

2016年10月11日 23:41

『おいしいイチゴができたから』


大手建設会社に勤める名古屋市名東区福岡さん(32)が、入社四年目にぶつかった「仕事の壁」の話。
愛知県内の農業用かんがい用水路を建設するプロジェクトに携わることになった。
まず一辺が30メートルと15メートルの巨大な竪穴を掘る。そこから搬入した掘削機械で、地下20メートルの所に横穴を掘り進めて水路を造る。シールド工法という大工事。
ところが、たまたま竪穴入り口の真横にイチゴハウスがあり、その農家さんから様々な苦情を受けた。まずは騒音だ。
地中で直径1メートルもの石を砕くと、雷のような地鳴りがする。次に竪穴を囲う高さ2メートルのフェンスの問題。日照時間が短くなり、イチゴの生育に支障が出る。
ときどきハウスを開けて外気を入れるのだが、その風をも遮ることになってしまう。
この仕事は大勢の農業従事者のための工事だ。もちろん会社員としての使命もある。だが、目の前の農家さんに迷惑をかけていいことにはならない。
とにかく何度も何度もハウスを訪ね、じっくり話を聞いた。福岡さんは板挟みになり悩んだ。
だが、様々な解決策を提案するうちに、徐々に農家さんの表情が和らいできた。
コストはかさんだが、防音効果の高い設備を追加したり、フェンスを板からネット製に変更するなどし、納得していただけた。
「誠意を持って人に接する大切さを学びました。工事終了間近に、現場の休憩所へその農家さんが『おいしいイチゴができたから食べて』と持って来られました。その味が今も忘れられません」と福岡さんは話す。

中日新聞掲載 2016年(平成26年)8月14日

このデジログへのコメント

  • kouji 2016年10月12日 00:12

    相手の誠意が分かると、多少のことは納得しようという気持ちが無意識のうちに働いてくるものですね。
    私もそんな経験があります。

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