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「独裁者と小さな孫」レビュー☆

2016年09月01日 01:45

「独裁者と小さな孫」レビュー☆

ミシャ・ゴミアシュウィリ主演他。老いた独裁者(ミシャ・ゴミアシュウィリ)は幼い孫(ダチ・オルウェラウィリ)と逃亡の旅へ出る絶望希望か。待ち受ける運命とは―独裁政権に支配される国。ある日、クーデターが起こり、老いた独裁者は幼い孫と共に逃亡を余儀なくされる。彼は多くの罪なき国民政権維持のために処刑してきた冷酷な男だった。変装で素性を隠しながら、独裁者と孫は海を目指す。二人が逃亡の旅で目の当たりにする驚きの光景とは・・・。絶望希望か。自らの過去の罪に追われる独裁者と孫の衝撃的な結末とは―。世界が心を震わせた衝撃の結末、感動の誕生。

9/10点!!冒頭のいたずらに孫息子権力を譲って国中の明かりをつけたり消したりする姿はまさに悪い独裁者なのですが、旅を始めると「孫を守り抜きたい。」という愛を持っている人物で完全な悪ではないんですよね。旅を始めてから出会う国民たちやかつての恋人に対して、懺悔の気持ちや孫への愛が彼の表情にわかりやすいくらいどんどん出てきて。でも、国内の独裁者探しはヒートアップしていく一方で。根っからの悪党はいないと言いますが(私はいると思いますが)、彼もどこかでボタンを掛け違えてしまって、それに気付かずに手遅れになるところまで駆け抜けてしまったのかなと何とも言えない気持ちになりました。5歳というコントロールの効かない年齢の孫を守るために奮闘する姿も、一瞬一瞬が命懸けなのにどこかコミカルでそれがまた切なかったです。私が大人になる前は、クーデターとか政権崩壊とかははるか遠くの話で、友人がいる近くの国や自国では一生起こらないだろうと思っていたのですが、見る見るうちに世界は悪い方向へ進んでいって、テロクーデターバンバン起こっています。この作中でも子どもを殺された母親が自分の子どもよりも小さい子どもを親の前で殺せと声高に叫んでいて、環境で人が悪魔になってしまうことって本当にあるんだなとゾッとしました。その国の独裁者やそれを糾弾する人たちがこの作品を観て、一旦立ち止まって考えてくれたらいいなと思いました。復讐に復讐が積み重なって負の連鎖も起こるけれど、大統領罪悪感や心からの心配の気持ちから起こした優しさが、優しさで返ってくることもあるんだよって知ってもらいたいです。孫息子役のダチくんがまた名演技で!5歳だけれど自分の祖父や家族が悪く言われてることは何となく気配でわかる、もしかしたら殺されちゃうかもしれないこともわかってる、でもゲームだという祖父の言葉も信じたいという気持ちとクライマックスに彼が流す涙に胸が詰まります。イラン出身のモフセン・マフマルバフ監督が命懸けで撮った作品、一見の価値ありです。2015年公開。

このデジログへのコメント

  • はらぺこ 2016年09月02日 01:09

    一見の価値ありですか。見てみよう(^^/

    ところで、ユリさんは「Vフォー・ヴェンデッタ」は見られました?
    昨日見ましたが、、、ハラハラして面白かった(^^

  • ユリ 2016年09月02日 10:43

    > はらぺこさん
    Vフォー・ヴェンデッタ、懐かしいです!観ました。独裁者~は寓話なんですけど、色々な国の問題が全部織り込まれてて、監督の伝えたい!!って気持ちがビシビシ伝わってくる作品です。

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