記憶

http://tinyurl.com/mzzxpd8

人間の記憶というのはそもそも当てにならないものです。

よくある話として、ファイルキャビネットまたはハードドライブのように記憶を保存しておく「（脳の中にある）場所」というものが例えられますが、記憶を呼び起こすという行為は、実は「呼び起こされる度」に新しい「記憶」が作られています。

そして記憶というのは「呼び起こされる度」に、「呼び起こされた時点の経験」というフィルターと通して、少しづつ実際に起こったこととはずれが生じていくものです。

つまり記憶というのは使われれば使われるほど（思い出せば出すほど）、自分の頭の中で「独立した」経験として成り立っていく可能性が高いものです。

あるいは、ちょっと矛盾していますが、もっとも「現実に起こった経験に近い記憶」とは記憶喪失者（記憶することができない人）の記憶だと比喩されることがあります。

以下のビデオでは記憶を呼び起こしているときに、ある薬物を与えると、呼び起こすときに生まれるプロテインの活動が抑えることができ、ある意味「記憶を消す」ことができるという実験をしたJoseph LeDoux博士の話です。

ますます、僕たちが毎日「頼りにしている」記憶というものが、実はあまり確定的でないということを考えさせられるかと思います。あまり自分の記憶の「絶対性」に振り回されないようにしてください。

https://www.youtube.com/watch?v=4Yr95fUecFg


英文：http://tinyurl.com/ycwblhz