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<後編>その後のAurora姫・・・(12)

2006年07月11日 18:35

Auroraの電話番号はMaxから聞きだした。
けど、Auroraがランチでいつも使うお決まりのカフェは知ってたから、
呼び出して、警戒されるより身柄を押さえたほうがいいと思った。

そして12時すぎ、予定通りAuroraは来た。
ランチのオーダーを取るまで待つ。逃がしはしないわよ。
ウェイトレスが行ったのを見送って、席に近づいた。

「ねえ、Aurora」
ぎょっとした表情で振り返るAurora。
「な、なんですか?ゆりこさん、どうしてこんなところに?」
「あなたに会いに来たに決まってるでしょ?!思い当たりはあるわよねぇ」
私は小首を傾げて、微笑を浮かべてみせるけど、
ほんとは腸煮えくり返ってんのよ、このメス豚

「あ、ありません。ないです。だって、アレは全部Rubyのしたこと・・・」
「Rubyのしたことって何かしら?Maxが私の彼だと知ってて裸で迫ったこと?
それとも出会い系カキコミしたこと?」
「・・・両方です」
くー。やっぱりおまえかー!
「ねぇ、Aurora。Rubyってあなたの別人格なのよねぇ」
「・・・出産前にお腹の中で死んじゃった双子の姉です」
「Rubyのこと、どうやって知ったの?
 Rubyがしてることどうやって知るの?
 1000人切り目指してることも、Rubyがしてることだから
 知らないしコントロールできないって男どもには言ってるのよね?」

「それは・・・」

人格がいくつかあるときには、その人格同士でコミュニケーションできる場合もあるらしいけど
Auroraの場合は、自称2重人格がほんとなら、それはできてるはずがなかった。
だって、男たちから聞くに、Auroraの意識がない間に、Rubyが男と寝まくってるらしいからだ。
「都合がいいのね」
悪人はRuby。純真無垢なAurora姫は悲劇のヒロイン
「じゃあ、両方Rubyがやったことだとして。あなたは知ってたわね。
さっき、認めたじゃない?Rubyのやったことだって」
「・・・・・・」
「どうして、Maxの件は謝りにこないの?どうしてカキコミは削除しないの?」
「・・・・・・」

だんまりの上、店員(特に男)に上目遣いの視線で助けを求めるなよ。
しかも涙を浮かべようと頑張ってる様子。
このうんこ女!
この時点でもまだ悲劇のヒロインなの?
あー!もう!(この間、1秒)

ばちっ!ぺしっ。
力いっぱい往復ビンタでひっぱたいてやった。

そしたら、Auroraは往復の「復」の方で床に崩れてみせた。
・・・いや、倒れるなら最初の「往」の方だから。
力いっぱいひっぱたいたのは「往」で、「復」は手の背ではたいただけだから。
倒れるはずないんですけど。
またパフォーマンスなの。もううんざりだわ。

「あなたがRubyのせいにしたいなら、いいわ。だってそれってあなたの問題なんですもの。
誰とでも寝なさいよ。どの男にも悲劇のヒロインやってなさい。
ここでわざと倒れてみせるのも、事情を知らない人には同情してもらえるでしょう。
でもね、私には通用しないわ。もう2度と関わらないで。次は・・・このくらいじゃすまないわよ」

もう数発殴ってやりたかったけど、
床に崩れたそのボディに蹴りを入れたかったけど
いちおう女子なので我慢した。
ああ、手が腐るわ。
あんな女を殴ったなんて。

カフェは騒然としていた。
聞き耳を立てる人、噂する人。
勝手にすれば。他人の修羅場は蜜の味でしょ。

まるで炎に焼かれてるみたいな気分だった。
煮えたぎった、怒りが収まらない。

注目されてるのを知ってたから、
できるだけ優雅な足取りで、笑みさえ浮かべてその場を離れた。
でもちゃんと見てた人がいたら、目が笑ってないのに気がついたろう。

***
私とAuroraはその後10数年間、接点を持たず暮らせている。
できれば2度と会いたくない。

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