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骨まで愛して・・・(08)

2006年07月06日 17:37

ああ、よく考えたら一度じゃなかったかも。
別れ話をしたのって。

Maxの「誰かに死ぬほど必要とされたい」症候群は、
5年のうちに何度も顔を出した。
最初に現れたのは3年目。その後は頻発した。
そして、別居すると同時に私はそれを見なくて済むようになった。
決してなくなったわけではなかったけど。

私は彼のその嗜癖をどう扱っていいのかわからなかった。
私だって、彼を必要としてる。
でもそれじゃ足りないというのだ。
Maxは誰かに「死ぬほど」必要とされたがった。

みんな誰かを必要としてる。

だけど、「死ぬほど」となると、2種類だと思う。
ひとつは誰かを知り、その人と深く通じ合い、その人を人生の一部にしたとき。
もうひとつは、自分の人生が破綻に瀕していて、助けてくれる人こそが救世主なとき。

彼からすると、後者になるほうが簡単だった。
時間をかけて誰かと通じ合うより、破綻してる人を探せばいいのだから。
彼女らは必死になってMaxにすがる。
それは彼女らの人生が苦しいから。
Maxが優しくしてくれるから。Maxがいればやっと息ができるから。

Auroraは自称精神分裂病だった。
Rubyというもうひとりの自分がAuroraを憎んでいて、
Auroraに1000人切りをさせるのはRubyだというのだ。

Rubyは職場出会い系、ゆきずりと1日3人と寝ることもあるという。
Aurora曰く、情事が終わるまで彼女の記憶はないらしい。
Rubyが支配しているから。

終わって服を着始めると、Auroraの人格が戻ってくる。
そして何人目かということを数えさせられるというのだ。

他には、Blancaなんかも印象に残っている。
彼女は裕福な夫と結婚した人妻なのだそうだ。
子どもが2人。
1人目は国から難病指定されるような重病。
介護を放棄して、ずっと入院させている。
夫はそんな家庭を失敗作だと思い、家庭放棄。
Blancaは放棄された自分も2人の子どもも愛することができず
2人目を施設に入れた。
夫は外聞のために離婚しないのだと言っているらしい。
彼女新築マンションを与えられ、
別居の手当ては充分すぎるほど出ているけれど、
夫が帰ってくることはないのだという。

Maxはよくブランド物を買ってもらっていたから、
彼女がお金に不自由してないというのは本当なのだろう。
それとも、
彼女はMaxをつなぎとめるのに、それしか手段を持たなかったのか。

不思議に思う。
そういう苦しい女性を何人も見つけるのは彼の嗅覚なのだろうか、と。
まるで磁石のSとNのように、どんなに人がたくさんいても
Maxと彼女らは惹かれあう。

Maxの浮気が発覚するたび、私は泣いて別れを口にした。
Maxが求めているものは何かわからない、と泣いた。

もしもMaxの望みが誰かに必要とされることなら、
誰かを見つけ、その女性のところに行けばいいのだ。
Auroraでも、Blancaでも。
彼女らはMaxを死ぬほど必要としてくれる。
そして、ただそこで求められて、与えていればいればいいのだ。

私には彼が必要だけれど。
人生をかけて彼を愛していたけれど。
彼女たちのように彼を求める狂気は持ち合わせていなかった。
溺れる者が藁をつかむような、彼を求めるその狂気は
私には持ち得ない情熱だった。

でもMaxは私と別れようとはしなかった。
彼女らの破綻した人生は自分のものとして受け入れる気がないのだと、言った。

私にはわからなかった。
どうして最後まで責任を取らないものに、関わろうとするの?
あなたの関わりは、最後には彼女らを救わない。
「救うことが目的じゃないんだ」
じゃあ、どうしてなの?どうして異性として近づくの?
「愛されたいんだ。もっと」
私は愛してるわ。Max、あなただけを。
「ちがうんだ。そうじゃないんだ」
Max、私にはわからないわ。
あなたが何を求めているのか。
でもきっと私にはもう与えられない。
だから・・・別れましょう。
「いやだ、別れない」

どうしてなの?
どうしてなの、Max。
愛してるわ。これ以上の感情なんて持ち得ない。
私を苦しめても、あなたは自分の快楽を優先させるの?
他の人の人生を軽んじるのは、好きじゃないわ。
彼女らも、私も同じよ。一生懸命なのよ。

自らの快楽のために犠牲にするなんて、許せない。

少しずつ私は壊されていった。
少しずつ、私たちの関係は腐っていった。

それでも、別居することで私たちの関係は少し好転したように見えたのだった。

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