雷鳴と雷光

夏の思い出をもうひとつ

二十歳の夏休みでしたが、運転免許の合宿
のために福井県の六呂師高原というところで
お盆をはさんで2週間程寝泊りしました。

農家の母屋を夏の間だけ民宿として貸している
みたいで、その自動車学校専用でした。

山の上の小さな集落で、近くの明かりといえば
200mほど先にある自販機の明かりだけでした。

自販機の向こう側まで歩いていくと急に視界が
拡がって、山のふもとからずっと遠くまで
パノラマで見渡せる場所がありました。

夕食後辺りが暗くなってから、自販機に飲み物
を買いに行って、そこで景色を眺めながら
夕涼みするのが日課のようになっていました。

ある日、山の上の夜空には満天の星がまたたいて
いましたが、見下ろす盆地では雷雨の夜でした

音と稲光だけが晴れ上がった山上に響きます
盆地全体が一瞬だけ雷光に浮かび上がり
とても幻想的だったことを覚えています

しばらくの間、1時間ぐらいは見とれていた
ように思います。

残念ながら男子専用の宿舎でした