- 名前
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- もう海外在住29年、定年もそろそろ始まり、人生のソフト・ランディング、心に浮かぶこと...
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三人の狙撃者 (Suddenly !) ; 見た映画 June ’0
2006年06月24日 21:09
三人の狙撃者 (Suddenly !) (1954)
監督 : Lewis Allen
脚本: Richard Sale
音楽:David Raksin
出演:
Frank Sinatra - John Baron
Sterling Hayden - Sheriff Tod Shaw
James Gleason - Pop Benson
Nancy Gates - Ellen Benson
Kim Charney - Peter Benson
Willis Bouchey - Dan Carney
Paul Frees - Benny Conklin
Christopher Dark - Bart Wheeler
James Lilburn - Jud Kelly
Ken Dibbs - Wilson
Clark Howat - Haggerty
Charles Smith - Bebop
Paul Wexler - Slim Adams
シナトラの映画は特に意識して観た事はないが自分の好きな歌手でもあるので今日BBCの深夜映画として放映されるとテレビガイドに出ていたからオランダジャズコンテストという若手のバンドが4組出る準決勝コンサートに出かける前にヴィデオのタイマーをセットし家を出たはずだが、夜中に帰って来て見るともう30分近く映画の開始時間が過ぎているのに驚き、これは何としたことか、この駄目ヴィデオレコーダーは作動していないじゃないか、と気落ちした。 仕方がないからすぐに手動にしてうんざりしながらも残りの1時間ほどを見た。 つまり、初めの3分の1ほどを見過ごして話のつじつまを想像しながらという見方なのだが、話は今の映画の作り方ほど複雑ではなくて助かった。
大抵どの作品でも初めの1秒から最後のエンドクレジットが終わるまで、まあ、今は昔と違い終わりの方はヴィデオの遅送り(早送りがあるのだからこの言葉も在っていいはずだ)でしか読み取れないほど細かいものになっているものの、初めの数分で後で謎の鍵となる映像や科白、印象深い映像などが現れることもあるのだから、それだったらヴィデオ撮るのやめようかな、と思ったのだった。
とはいえ、この映画の1年後の製作になるシナトラ主演「黄金の腕 (The Man with The Golden Arm、1955)」は以前にヴィデオに撮ってあったけれど初めの10分ほど見ただけでそれもそのままになっているのだが、この「黄金の腕」はシナトラがジャズ?ドラマーとして黄金の腕をもつ男として活躍する軽快なタッチの音楽入りの楽天的な話だと予断を持っていて全部は観ていないので実際はどのようなものかそのうち確かめてみようかと思うのだが、それもいつのことになるのやら怪しいものだ、それは兎も角、、、
映画の2/3だけ観てここに書くのは気が引けるのだが、ただこの種の話は現代でも作られているサスペンスドラマと種類を同じくする半世紀まえのものだし、特に、大統領狙撃テーマと言えば、フランス・ドゴール大統領狙撃未遂の傑作「ジャッカルの日」、その最近のリメイク、元とは似て非なる凡作「ジャッカル、、、?」であり、O・ストーンのJFKあり、イーストウッドが狙撃手マルコビッチのハイテク弾から大統領を防ぐ護衛のシークレットサービスの話までいくつもあり、この1954年当時の大統領狙撃の話の主役、シナトラの演技、に加えてストーリーに興味が向き、この映画の覚書として残しておこうと思ったのだ。
失った初めの30分はなくても筋は一応つじつまがつくので問題はないものの、戦争で26人か27人狙撃して戦功をたて、銀十字勲章をもらった今はクールな殺し屋のシナトラに誰が殺人依頼をしたのかが知りたかっただけだ。 おまけに人質の保安官からヨーロッパ戦線での病的な理由で本国に戻された理由が人を殺すことに快楽をもつという異常心理だからと詰問されて自分の生い立ちを語るあたりは見ていてにやにやするほど面白いパターンである。
一番興味があったのはケネデイー暗殺の場合と同じく、誰が依頼主なのかということなのだが、ここでは全編の2/3だけを見る限り、では報奨金の半金はシナトラの手にもう入っているといわれるものの、人質になったシェリフの口から出たのは、何時間か後にはおまえ(シナトラ)は国外に逃亡して逃げおおせると思っているかもしれないけど、後の半金は依頼主がとっくに持ち逃げしていることだよという言葉で、シナトラは内心ビクビクしているのだろうけどそれは賢い警察官の心理戦の科白で内心はいらいらしながらも軽くいなしてしまい、そこからは我々には依頼主は分かりようもない。 なかなか感心したのは39歳のシナトラが人質として閉じ込めた人々に冷静に脅しをかけて対応する件である。 シナリオはよくできているし、伝え聞く後年の灰色も混ざった実生活でも効果的に使えそうな科白回しでもあるなと面白く聴いた。
54年当時の警官の姿、パトカーのずんぐりむっくりの丸くて重そうな形状、悪もの達のしぐさと服装、小物、ロケーションの街の佇まいにそういえば子供の頃、自宅の白黒テレビで見たアメリカ映画、連続シリーズの佇まいであるのに甚く懐かしい想いをもったのもそのまま見続けた理由かもしれない。 他の脇役は殆ど見たことがない名前が連なるが、唯一の女性は当時のテレビシリーズか白黒映画で見た事はあるのかもしれない。 当時の時代の顔を持つ女優でこのごろにはあまりお目にかからない顔つきである。 それにしても警官、捜査官、悪人たちは一概に歳をとって見えるのは興味深いことである。 いかにもどっしりとした大人然と見えるからだ。 今の人にはまったく「ダサい」と見えるに違いない。
考えてみればハンフリー・ボガード、ジャッキー・グリーソン、スペンサー・トレーシーなどの主役俳優にしても相対的にいえることであり、白黒映画の世界である。それでは、今の映画は50年後になるとその時の未来の若者からはどう見えるのだろうか興味深いことである。
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