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蜘蛛女のキス

2006年06月19日 22:53

蜘蛛女のキス

『愛したくない人を愛した事は?』


花のパリ市街

軍隊凱旋門の下を堂々と行進する

きりっとした兵士達に フランス娘達が拍手を送る

その裏通りでは 闇物資を運んでいるフランス人とは思えない男たちが 勇敢なドイツ兵達に 現行犯逮捕される

だが それを近くで見張る小型トラック

レジスタンス組織の二人組で ドイツ軍を偵察中なのだ

太ったガニ股と耳の遠い手下

 
彼女は その女はどこか少し変わっている

見れば分かるが 普通の女とは違うんだ

自分の殻に閉じこもっていて 迷うながらも その世界から一歩も出ようとしない

ともあれ彼女の周囲は豪華さに満ちている

贅を尽くした寝室 ベッドはサテンのキルティング カーテンは上等な絹

窓を開ければエッフェル塔が見える

突然メイドが 美しい小箱を持って部屋に

崇拝者からの贈り物だ

彼女キャバレーの超一流スター歌手

箱をあけると 中にはダイヤブレスレット

だが彼女は突き返す

言い寄る男は腐るほどいるが これぞという男にはまだ巡り合えていない

本当の男には

メイド泡風呂の用意をする

彼女は実に魅力的だ

誰もがうっとりする

この世界にいるどの女よりも 完ぺきなそのスタイル 古典的な顔立ち

だが驚くのは大きな緑色の 瞳 優しさと思いやり

だが気をつけろ その目はすべてを見通す

何も隠せない

いかに寂しくても 彼女は男達を近づけない


しかし 恋が芽生える

毎夜 この一流クラブには着飾った人々が集まり 恋人達は愛を語り スパイは耳をそばだてる

客の中にはドイツ軍の高級将校

バーナーもその一人だ

紳士で 在フランスの対情報部を指揮している

やがて スポットライトの中に姿を見せる大スター

バーナーの目が彼女を虜に。。。

鷲の爪のような力強さで。。。


蜘蛛女のキス」(1985年ブラジルアメリカ映画
出演:ウィリアム・ハート ラウル・ジュリア ソニア・ブラガ
原作:マヌエル・プイグ
監督:へクトール・バベコン


南米ファシズムが台頭する或る国

刑務所で同じ監房に入れられている二人の男

反体制運動の闘士バレンティン(ラウル・ジュリア)と ホモセクシャルのモリーナ(ウィリアム・ハート

同性愛者として生きる事すら否定されたこの国でモリーナは 空想の中でしか生きられなくなっていた

現実を変えようと必死でもがいているバレンティンは モリーナを毛嫌いしている

しかし モリーナが繰り返し甘美に語る 美しい女(ソニア・ブラガ)の悲しい恋物語にバレンティンはモリーナに親しみを覚えていく


『バレンティンはどっちの方かな?ガニ股の愛国者か?それともハンサムなバーナーか?』

『君はどっちだ?』

歌手さ 決まってるよヒロインに』



これは理解するのは容易ではないかもしれないけれど 美しくも悲しい愛の物語

決して交わるはずのない二人が出会い お互いに持ち得てない心に触れ 愛が芽生える

信念を貫き闘う事に明け暮れていたバレンティンは モリーナの優しさと思いやりに触れ 安らいだ気持ちを思い出す

同性愛者として 本当に愛し合える男を探し続け 疲れ果てたモリーナは 謙虚で威厳のあるバレンティンの生き様に触れ 生きる意味を思い出す  
同性の“友情”と“愛情”の境目はどこなんだろう?

そんな疑問もふっと沸いてくるけれど そんな事はどうでもよくなってくるから不思議

異性間でもその境目が難しい時だってあるんだから

モリーナの語るフランス人歌手ドイツ将校の禁じられた恋物語が だんだんとモリーナとバレンティンに重なってくる

この空想物語の中で女は 男の信念を知り 受け入れ 彼の信念に殉じて死んでいった

そんな彼女が幸せだったかどうかは本人にしか解らないけれど 少なくともモリーナは 彼女は幸せだったと 羨望していた

だから モリーナも きっと 幸せだったとワタシは思う

恋愛は 女にとっては 自分の中にある生命力を目覚めさせることであると思う

男の出現によって 自分でも意識しなかった力に目覚めることであるとも思う

男が女に魅力を感じるということは その女を抱いてみたいかどうかであり 女が男に魅力を感じるということは その男に抱かれてみたいと思うことに尽きる気がします

頭の中身も 心の中も 容姿も 所詮 この抱かれてみたいという欲望を補強する程度にしかすぎない

けれど その欲望を刺激するモノが人の“魅力”であるんだと思う

女は 誰かを愛する事によって目覚める“力”と“魅力”の晴らしさを たとえ無意識であろうとも本能的に充分に解っています

そして 誰もが 男を尊敬したくてウズウズしています

女だったら 愛する男のために死ねるって事は本望だと思います

だから 男達は その期待を どうか裏切らないで欲しいです


モリーナは“男”だけれど 心は“美女”でした

だからか モリーナとバレンティンがキスを交わすシーンが自然と受け入れられてしまい感動してしまいました 
 

このデジログへのコメント

  • ち~どん 2006年06月20日 01:04

    映画って本当に人生の縮図~人間模様や時代、国を代弁していて最高ですね!もっと映画館に行きたいですね☆

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