崖っぷちに来ました　今日勝つしかない

阪神・鳥谷、ほえた誓った「やり返す」
サンケイスポーツ - 2009/10/9 7:52

　（セ・リーグ、ヤクルト５－０阪神、２３回戦、ヤクルト１４勝９敗、８日、神宮）あきらめん！　阪神はヤクルトとの決戦第１ラウンドに完封負け。自力でのクライマックスシリーズ（ＣＳ）進出が消えて４位に転落したが、まだ９日のラストチャンスがある。次代のリーダー、鳥谷敬内野手（２８）が熱く必勝を誓うなど虎戦士もネバーギブアップ。勝てば逆にツバメを窮地に追い込める。今季最終戦、必ず勝つ！！

　神宮の杜に躍る無数の傘、傘、傘…。そして背中から浴びせられる東京音頭の大合唱。でも、まだ虎は死んではいない。もう勝つしかない。いや、絶対勝つ！　次代のリーダーが視線を、グッと上げた。

　「最後まで、勝ちにこだわった試合が出来るんで。僕らが出来ることは勝つことだけ。何とかあした、勝ちたいです」

　鳥谷が虎戦士の思いを代弁した。大事な２連戦の初戦は館山にやられた。５安打完封負け。自力ＣＳ進出は消えた。四回、右翼線の当たりに激走、二塁打とした鳥谷の奮闘も勝利には結びつかなかった。

　９日、最後の１４４試合目。負ければ終わり。だから余計に熱くなった。相手の先発・石川へ、冷静な男にしては珍しく誓いを立てた。「（石川さんはここまで）やられているんでね。やり返したいです」。今季１６打数２安打（対戦打率．１２５）、０打点と相性はよくない。でも、必ずリベンジしてみせる。

　前半戦は不振で苦しんだ鳥谷だが、後半に入って一気に上昇。チームの反撃の中心となり、自身初の２０本塁打もマークした男はさすがに熱い。ヤクルトにＣＳ進出マジック点灯？　虎が４位転落？　今さら関係ない。９日勝てば、もうヤクルトは残り２試合に○○か○△しか３位になれない。一気に立場は逆転、窮地に追い込めるのだ。

　鳥谷同様、試合後の虎ナインは完封負けにめげるどころか、必勝への猛烈な気持ちのオンパレードだった。三回に自らの悪送球で先制を許した新井は「あした、まだ試合があるんで、思い切りやるだけ」とばん回を口にした。五回一死から４試合連続安打となる左前打を放った若き大砲、桜井も叫んだ。

　「あした勝つしかない。やるかやられるか、です！」

　低迷した前半戦のあの苦しみをはね返して、ここまで辿り着いた。７月２８日時点で最大１３．５ゲームもの差があった３位ヤクルトと、９日の最終戦で雌雄を決する。これ以上ない舞台が待っている。真弓監督も「重圧？　打ちたいという気持ちが出て、館山にやられた。気持ちが出過ぎたんだろう」と淡々と振り返りながら、背水の戦いに最後は語気を強めた。

　「もちろん！！　がんばります」

　運命の１４４試合目。きっと勝つ－。虎が最後の力を振り絞る。決戦や！