デジカフェはJavaScriptを使用しています。

JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。

朝寝、朝酒、朝湯が大好きで、それで、、、、、、

2009年02月12日 09:22

朝寝、朝酒、朝湯が大好きで、それで、、、、、、

昼過ぎて起きる毎日、たまに午前中に起きなければいけないこともあり、起きてみればそろそろ終わりかけかという冬もまた外は霙交じりで寒いのでシャワーを浴びることにして湯を頭から浴びても足から尻、体に温かみが戻ってこず堪らず流れる湯をバスタブにためて風呂にしそれに体を横たえて何とか温まった。 先ず熱い湯に小型のタオルを浸しそれを両目の上に乗せ、時々は同じように耳朶もその熱いタオルで包むと特によく温まるような気分がする。

そうしていると世間の人たちが働いている中、朝の光の中で湯に浸かっていて少々の罪悪感にちりちりと苛まれるという自虐的な楽しみも少しは戻ってきて、考えてみれば朝から湯に浸かるということはまだ無垢な子供の頃の正月の初湯なり、学生時代にすることもない毎日、由緒ある温泉に朝湯に浸かりに自転車でよく出かけ、見事な広い御影石の浴室で風呂の縁に首を載せそこに老人達がするように好きなだけ寝そべって時たま木の桶から湯を汲み横たえた体に流して気持ちよく眠るかまどろむような、午前か午後の感覚もなくなり、ドラッグもいらないほどの桃源郷に遊んだことも、また、もうそろそろ30年以上前にオランダに渡航するため一年ほど日本の実家でぶらぶらしていたときの朝湯のことが思い出され、それにこういうゆったりしたときの朝酒のことも加えてその快楽の中で妙な感慨に包まれる。

民謡の、「はああ、会津磐梯山は宝の山よ、笹に小金が、ハア、なり下がるよお」と景気のいい歌詞が続く後に、、「小原庄助さん、何で身上潰した、朝寝、朝酒、朝湯が大好きで、それで身上潰した、もっともだ、もっともだ、、、」と囃しがありそれが頭の中をよぎるのだ。

この民謡はよく知られたもので歌の部分は目出度いものなのだが囃しの部分が問題だ。 朝寝、朝酒、朝湯が大好きで、、、というのはいいが、それで身上つぶした、というところに強くモラルの強制を感じる。 小原さんは強壮の30代だとしよう。 昔、例えば江戸時代、人の活動時間は夜は暗くなるとほぼ終わり、夜は10時ごろには活動はほぼ終わっているとみてよいだろう。 その代わり朝は夜明けごろから起きて活動するという具合だ。経済活動には朝早くから精を出し、風呂や酒の快楽は身の破滅を導く、というものだが、果たして小原さんはそれで身を滅ぼしたのだろうか。 自分の行いを正当化するのだが小原さんが隠居の身なら何の問題もなかったのではないか。 働き盛りの30、40代なら問題があるのかもしれない。

江戸時代地方の農夫、小原庄助さんの一日を想像してみる。 一日の開始は5時、6時というところだろう。 二時間ほど働いて家に戻り朝食にすると8時ごろになるだろう。 一服して9時前から12時まで働き、昼食を摂り1時前から暮れ始める5時まで野良で仕事をすると大体9時間半の仕事となる。 これは明治生まれの農夫、私の祖父の平均的な時間割だったように思う。 盛夏には昼食後、1,2時間の午睡があり小さい私もこれを強制され眠れず困った思い出もある。 ここには朝寝、朝酒、朝湯が入る隙間がない。 正月ぐらいなものだ。

ここでは朝寝というと何時ごろまで寝床に留まっていることなのだろうか。 農家では起きるのが遅い、というのは7時ごろまで寝ている、ということなのではないだろうか。 明らかに仕事に支障が出るのは9時頃まで寝ているとそれがはっきりするだろうし、昼間まで寝ているというのはそれはもう床に伏せる、ということで病気でもないのに寝床にいるというのはもってのほかだろう。 さて、9時ごろに起きてゆっくり少なくとも30分ほど風呂に入るとしよう。 上がってからゆっくり朝酒を嗜んでいるともう10時は遥かにまわりそろそろ昼に近づいてくるだろう。 

これではまだ壮年小原さんの日常の経済活動も生産活動もできるはずはない。 しかし、小原さんが農夫でもなく、ある程度の素封家でしっかりした番頭がいれば午後からでも采配を奮えるわけで商家ならこれでやってやれないことはないのだが家族、身内に示しがつかない、ということもあるのだろう。 このようなことから、酒、女色、賭博と同類の戒めが朝寝、朝酒、朝湯にかけられても不思議ではないような気がする。 けれど女色、賭博にくらべて朝湯と朝寝の地味なこと、金のかからぬ快楽なのに破滅をもたらすものとは。

こんな事を考えながら温まった体をタオルで拭いて、外気ほど冷たくないものの冷蔵庫から6,7度ほどに冷えたビールを取り出して飲む。 今日はまだ昼にもなっていないからちょっと早く起きたというような気分なのだが、冷たい外に出かける前に体を温めるということをしたから一日のスタートしては建設的ではある。

私のご先祖様方からみれば「罰当たり」なのだろうが、この異国にご先祖様方を招待して一緒のライフスタイルでくらしてみてご意見を伺ってみたい気もしないでもない。 こんな鬱陶しい冬の日には仕方がないか、とスキポール空港で言い残して日照時間がこちらの3倍はある日本に喜んで帰るかもしれない。

このデジログへのコメント

まだコメントがありません。最初のコメントを書いてみませんか?

コメントを書く

同じ趣味の友達を探そう♪

  • 新規会員登録(無料)

プロフィール

ヴォーゲル

  • メールを送信する
<2009年02月>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28